短い睡眠時間で平気なショートスリーパー 遺伝子が関係してる?
日本人の平均睡眠時間は7時間14分です(2010年NHK「国民生活時間調査」)。この時間に比べ、いちじるしく「短い」または「長い」睡眠をとる人がいること、ご存じですか? それは、「短時間睡眠者(ショートスリーパー)」と「長時間睡眠者(ロングスリーパー)」。そのうち、4〜6時間で睡眠が足りるショートスリーパーの体質には遺伝子が関係しているといわれています。
ショートスリーパーとロングスリーパーについて
ショートスリーパーは、短い睡眠時間でも健康を保っていられる人のこと。6時間未満を少なくとも6か月以上の間、継続できる体質です。
レオナルド・ダ・ヴィンチは4時間仕事をして30分眠ることを生涯続けたといわれ、エジソンやナポレオンとともにショートスリーパーとして知られています。
一方のロングスリーパーは、長時間の睡眠を要する人のこと。少なくとも6か月以上の間、9時間以上の睡眠が必要な体質です。
アインシュタインは毎日10時間以上の睡眠が必要だったそうです。相撲で有名な白鵬は、昼寝を6時間とった上、夜も10時間ほど眠るんだとか。
睡眠に必要なのは睡眠の”深さ”
睡眠に必要なのは、睡眠の”深さ”。上の図のように、睡眠の最初の90分で起こる”ノンレム睡眠”でしっかりした深さの眠りが取れないと、眠りが浅く、何度も目が覚めたり寝起きが良くなかったりしてしまいます。
ショートスリーパーは睡眠時間が短いにも関わらず、このノンレム睡眠の時間が平均的な睡眠時間(約7時間)の人に比べて意外にも差がないのです。そのため、短い睡眠時間でもぐっすりと眠ることができ、寝起きがすっきり、翌日も調子がよく過ごせます。
ショートスリーパーに変異が見られる遺伝子 ”DEC2”とは?
カリフォルニア大学でおこなわれた研究で、ショートスリーパーは”DEC2”という遺伝子に変異があることがわかりました。
DEC2遺伝子の変異により、睡眠中に脳内でおこなわれる情報整理活動が短時間で済ませられるのだとか。
ショートスリーパーは遺伝子変異による体質なので、通常の睡眠時間が必要な人が無理して短時間睡眠をおこなうのは健康にもよくありません。
きちんと眠り、翌日に備える生活をおこなうことが大切ですね。